謡を習うと、よいことがたくさんあります
素謡は、能の詞章を声で味わう芸能です。
舞台で演じる能とは異なり、
声だけで情景や物語を広げていきます。
古くから謡は、教養として、また生涯の楽しみとして親しまれてきました。
その魅力を伝える言葉に、「謡十五徳」があります。
―― 謡をたしなむと、十五の徳がある ――
そんな考え方です。
ここでは、その一部をご紹介します。
1.行かずして名所を知る
謡には、日本各地の名所や旧跡が数多く登場します。
実際に足を運ばなくても、
詞章を通して、その土地の風景や歴史を思い描くことができます。
人混みの中を歩き回らなくても、
声にのせて名所を巡るような楽しみがあります。
2.老いずして故事を知る
謡には、古い物語や歴史、故事来歴が数多く含まれています。
勉強として覚えようとしなくても、
謡ううちに、自然とその世界に触れることができます。
声に出すことで、
物語は知識ではなく、身体に残る記憶になります。
声で味わう、もう一つの能
謡講について
謡講では、素謡の魅力を静かな空間の中で味わいます。
障子や御簾の内から響く声に耳を澄ませると、
ほの暗さの中に、情景がゆっくりと立ち上がります。
初めての方にも、謡の世界を体験していただけます。
能の台本を朗読する演能形式を【素謡】といいます。
かつて江戸時代には士階級だけではなく、町衆の間でも教養として嗜まれていた素謡(謡曲)ですが、現在もその素謡をたくさんの方々が趣味として習っていらっしゃいます。
謡十五徳とは、
謡をたしなむことで得られる魅力を十五にまとめたものです。
以下、家に伝わる軸より、ご覧に入れます。
1.『不行而知名所』
行かずして名所を知り
2.『不老而知古事』
老いずして故事を知り
3.『在旅而得知音』
旅に在りては知音を得る
4.『不恋而懐美人』
恋せずして美人を懐き
5.『不習而識歌道』
習わずして歌道を識り
6.『不馴近武芸』
馴れずして武芸に近づき
7.『不詠而望花月』
詠せずして花月を望む
8.『不軍而識戦場』
軍せずして戦場を識る
9.『無友而慰閉居』
友無くして閉居を慰め
10.『不祈而得神徳』
祈らずして神得を得。
11.『無薬而散欝気』
薬なくして欝気を散ず
12.『不触而知仏道』
触れずして仏道を知り
13.『不思而昇座上』
思わずして座の上に昇り
14.『不厳而嗜形美』
厳ならずして形美嗜む
15.『不望而交高位』
望まずして高位に交じる
声を通して、
さまざまな世界に触れることができる――
それが謡の魅力です。
ご案内
謡講の開催情報・参加については、こちらからご覧ください。
[謡講のご案内を見る]
また、謡や仕舞のお稽古についてのお問い合わせも承っております。
–